道迷い 「迷路のまち」


迷路のまち。

入り くんだ 細い路地。



ここを 地図も磁石も GPSも 持たないで、人に道をたずねたりせず、自動車の通る道を避け、できるだけ 細い路地ばかりを時間無制限に 迷って 迷って 迷い 通す。

これこそ 山での「道迷い」防止のための 絶好のトレーニング場となる。


よく「道迷い」遭難防止対策として 登山者は 地図を読み解く「読図力」とか 地形を読み取る 「地形判断能力」を 勉強したり 訓練したりする。

これらは 山では 当然身につけておくべき あたりまえの能力であるが それだけでは「道迷い」対策として 十分ではない。

たとえGPSも 携帯しているからといって それだけで 道に迷わない とはいえない。

 「読図力」と 「地形判断能力」を 一応 体得していても GPSを携帯していても 十分活かせないのは、それは精神的な面から パニックになってしまう場合があるからだ。







ジャングルや砂漠だけ のことではない 山岳の「道迷い」も同様。

『世界のどこでも生き残る 完全サバイバル術
自分を守る・家族を守る』マイケル・S・スウィーニー著
日経ナショナル ジオグラフィック社 2011年 から引用

「ジャングルや砂漠で道に迷ったとことに気づいたとき、頑張ろうという反応に応じて副腎からホルモンが分泌される。このホルモンによって脈拍が上がり、呼吸は速く、浅くなる。
また、糖代謝が促進され、視野は狭まり、時間の経過がうまく認知できなくなり、ついにパニックを起こし、手や足が震えるようになるのだ。」

「生存をかけたサバイバルの状況下で、心のなかにわき起こる不安感といった強い感情は、人が持つ理性的な考えを打ち消す傾向にある。道に迷った人の多くが、理屈では引き返して足跡をたどるべきところを前進し続け、さらに深みにはまっていく傾向がそこにある。

生き延びるための極意は、感情的なエネルギーをコントロールし、それを建設的な方法に使うことで、生存への正しい行動を導くことにある。」

ナショナル ジオグラフィック
『世界のどこでも生き残る 完全サバイバル術
自分を守る・家族を守る』マイケル・S・スウィーニー著
日経ナショナル ジオグラフィック社 2011年8月29日第一版
ISBN:9784863131460






 「読図力」「地形判断能力」など それらを 十分 活用できる前提条件は どんな苦境に陥っても パニックにならないよう つねに冷静に対応できるように メンタルな面で鍛えておくことだ。

感情をコントロールでき 精神的にタフになるよう 常に 訓練しておくことが大切だ。

しかし 道迷いの経験の 山歴を 数多く 積み重ねたり、わざと 道迷いするように山中で 実践的に 訓練をして 精神的に 鍛えるには 長い時間もかかるし その間の リスクも高い。

こうした 「迷いのまち」など 安全な 「迷いの迷路」で 迷いこんで 迷い つづけて 「迷い」を 実験的に 積み重ねていくことで 感情コントロールを経験的に高めていけば、 「道迷い」を 楽しむ精神的余裕もできるなど どんな苦境の場合でも パニックなど起こさないで 冷静に対処できるようになるだろう。

「迷わぬものに悟りなし」
わざと 細い路地に入りこんで 迷って迷ってみる。
 迷いの迷路で 悟りの境地に達するかもしれない?




迷路には ところどころ ケルンのように 目印がある。

2012年7月22日 記

 

 

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